犯罪を犯してしまったとき、必ず身柄拘束されるわけではりません。むしろ、身柄拘束されない事件の方が多いくらいです。統計的には身柄拘束される事件は全体の3割程度であるようです。逮捕されないと問題を軽くとらえがちですが、現在逮捕されていないとしても、何かのきっかけで逮捕されてしまったり、身柄を拘束されないまま起訴されてしまうことも十分考えられますので、対応の必要性は全く変わりません。警察から連絡を受けて呼び出された場合の対応と注意点についてご説明します。
犯罪を犯した疑いがある人(被疑者といいます。)に対して、その人に逃亡や罪証隠滅の恐れがないと判断された場合、電話や手紙で取り調べに呼び出されることが多いようです。警察からの電話は落とし物が見つかったり、身内に何かあったことを伝える連絡である場合もありますので、もし出られなかった場合は折り返し連絡しましょう。無視し続けていると、逃亡の恐れがあるとして逮捕されてしまう危険もあります。日程の調整はある程度可能なので、日時を決めてその時間には警察署に行くようにしましょう。
取り調べの結果次第では可能性はありますが、その場合は行かなくても捜査の進展に伴い、いずれ逮捕される可能性が高いといえます。取り調べに行く際は逮捕されても良いようにある程度まとまった現金を持っていくとよいでしょう。日用品などの買い物ができます。
最初は逮捕の必要がないと判断して警察署に呼び出して取り調べていたものの、捜査の進展やその後のあなたの行動が原因で逮捕の必要があると判断されてしまうこともあります。捜査の進展を原因とする場合、例えば当初警察が想定していたよりも重大な犯罪であったときなどはともかく、自身の行動によって逮捕の危険が増してしまうのは避けたいところです。
そのために気を付けるべきポイントは、まずは①警察からの連絡を無視しない、②被害者に接触しないことの2点です。先ほども触れましたが、警察からの連絡に全く応答せずに無視し続ける場合、逃亡のおそれがあると判断される可能性が高まります。
また、被害者がいる犯罪の場合、被害者は非常に強力な証拠ともいえるのです。その被害者に接触することは、たとえ謝罪や示談のつもりであっても被害者を脅迫して被害届を取り下げさせたり、自分に有利な証言を強要するのではないかと疑われる危険があります。
また、③弁護人を選任するというのも実は逮捕を回避するうえでは有効です。弁護人を選任しても警察は直接被疑者に連絡してくることがありますが、仮にそこで連絡がつかなくても弁護人に連絡することができるようになりますし、示談する場合も弁護人を通じて行いますので、被疑者が被害者に接触する可能性も低くなると考えられるからです。また、逃亡を考える人は通常着手金を支払ってまで弁護士に依頼はしないでしょう。
これらの点に気を付けても逮捕されるときはされてしまうのですが、可能性を下げることは可能になります。
逮捕される前の段階でも、弁護士に依頼することで逮捕の可能性を下げたり、示談に向けて動くことが可能になります。逮捕された場合でも速やかな対応が可能になります。警察から呼び出しを受けたという方はまずはご相談ください。